かけ出し日本語教師 in 中国

28歳独女、中国で奮闘中です

中国の教師の生存競争

学生たちの競争率の高さ

昨日は中国全土で「高考(gao kao)」という大学受験前の統一試験が行われました。

ということで、去年高校3年生だった1年生に授業できいてみました。

「みなさんも去年受けましたか?」――「はいー!」

「大変でしたか?」――(一段と大きな声で)「はいー(>_<)!!」

どうやら、かなり大変だったご様子。

 

中国の大学生たちの勉強量の多さには目を見張るものがありますが、小さい頃から強制的に勉強する環境があったようです。

特に高校時代の起床時間を聞くと、どの学生も大抵、朝の自習のために5時や6時に起床していたそうです。

ほとんどの学生が中学校や高校から寮生活を始めるので、集団生活のためそうせざるを得なかったとか。

中には4時半という驚愕の起床時間を実施する高校出身の子もいました。

 

中国では(正確な名称は知りませんが)将来的に北京や上海などの都市部で生活するための「ポイント制」が採用されています。

都市での生活ができるというのは、水準の高い、良い生活ができることを意味しているようです。

物価の高い都市部でも生活できるだけの良い仕事をしている、ということにもつながると思います。

 

北京や上海に生まれた(戸籍がある)子は将来、簡単に都市部に住むことができます。

(確か、もともと「ポイント」を高くもっていると聞いた気がします。)

 

しかし、地方出身の子はその「ポイント」を獲得していかなくてはなりません。

「高考」の成績、出身大学のランク、取得した資格のレベル、就職した企業(職業)の社会的地位などがすべて「ポイント」に関わってくるそうです。

(国民の多くが漢族ですが、都市部進出の難しさからか、少数民族の場合あらかじめ追加の「ポイント」が与えられているとも聞きました。)

 

そんなわけで、学生はみんな将来良い生活をするために、大学生になった今でも、かなり真面目に勉強に励む子が多いです。

親の望みもあると思います。

もちろん、なかなか勉強しない子もいますが、数年前まで大学生だった私としては、学生全体の「ガリ勉ムード」に圧倒されています。

日本の大学生ってこんなに勉強しないし(^ω^;)

 

きのう聞いて衝撃的だったこと

前置きはさておき、昨日は学科事務室に用があったので行ってきました。

そこで一人の先生とお話ししたことが、私にとってはかなり衝撃的でした。

 

中国では学生たちの生存競争がとても激しいのは知っていましたが、先生方もかなり厳しい世界に生きていることがわかりました。

考えてみれば、確かに、これだけ人口の多い国なんですから、教師の数が多いのも当たり前ですよね…。

 

まず、何に驚いたかというと、教員の等級が細かく分けられているということ。

講師 → 准教授 → 教授

の順番に上がっていくのは想像できましたが、准教授も教授も等級が4段階に分けられていて、この大学ではその審査は3年ごとに行われるんだそうです。

充分な業績がなかったら降格もあるんだそうで/(^^)\シビアだなー。

 

業績によって審査結果が異なるのは日本でも同じだと思うのですが、その条件が厳しすぎる!

年間1~2本の論文を雑誌に掲載させる、翻訳などの著作を発行するなど、私が知っていた日本の大学教師より、必要な研究業績の発表間隔が短いみたいです。

 

また、当然、給料もその等級によって異なり、発表した論文が掲載された雑誌のランクによっても、もらえる奨励金の額に大きな差が出るのだとおっしゃっていました。

最近、副学部長の論文が国際的な教育雑誌に掲載されたそうですが、その報酬額は2万元(約32万6千円)だったらしいです。

そして、担当する教科によっても給料が違ってくるというから驚きです。

 

ただ、最近、中国の大学で全国的に問題になっているのは、その雑誌が国際的に有名かどうかという「雑誌のランク」が重視されすぎるあまり、「論文の質」自体は問われなくなってしまっているということだそうです。

それだけ大きな雑誌に載るということは、ある程度は高度な論文になるとは思いますが、大学教師の審査基準を見直すべきだという動きが高まっているとお聞きしました。

 

この先生は、この大学での勤務年数が15年くらいになり、小学生の双子のお子さん(男の子)を育てているお母さんなのですが、子どもたちが学校に行っている間は必ず事務室にいらっしゃり、授業のことはもちろんのこと、ご自分の研究にも精力的に励んでいらっしゃいます。

今の等級は准教授の第2級(上から2番目)だそうなので、毎年かなりの業績を積んでこられたことがわかります…。

 

学科の先生方との接点なさすぎ

ところで、うちの大学(この学科?)は学科事務室に行って仕事をする義務がなく、いつも決まった2名の先生方しか事務室にいらっしゃることがありません。

教員のランク付けの話を聞かせてくださった先生は、そのうちの一人でした。

つまり、学科に在籍する他の先生方にはほとんどお会いしたことがないということです。同僚なのに笑

 

かくいう私も、事務室には1週間に1度、行くか行かないかの頻度です。

家のデスクで授業の準備をして、教室に行って授業をして、終われば家に直帰する。

1週間、ほとんど家と教室の往復で完結してしまいます。

 

おそらく、お会いしたことのない先生方にしてみれば、私のことは、「去年えらく若い外国人が雇われたんだなー」ぐらいにしか思われてないんじゃないかと思います。

概して、ご自分の授業(生活)と関係のないことには関心がない方が多い印象です。

20人ほどいる学科の先生のうち、まともに話したことがある先生は7人くらいです。

 

着任時に歓迎会が開かれたわけでも、学期終わりにお疲れさま食事会が開催されるわけでもありません。

また、私が呼ばれるような学科行事にいらっしゃる先生方はいつも決まった先生ばかりなので、新しく交流をもつことができる機会も、今のところありません。

 

それに、前回までにもたびたび登場しているもう一人の日本人教師にも、これまで、「事件」前にも、あまり話す機会がありませんでした。

だってまあ、父と同じくらいの年齢の方ですしね…。

日常生活で頻繁に交流するほうが難しいんじゃないかと思います笑

 

(「事件」についてはこちらの後半部分をご参考のこと)

travel-teapot.hatenablog.jp

 

しかも、来学期はほぼ確実に次の先生こーへんし(´;ω;`)

日本人教師おらへんやん。

 

私のささやかな夢は、できれば日本人教師と、いろいろ相談したり教育談義に花を咲かせたり、日々のいろいろな悩みなどを共有することです。

(私ってめんどくさいやつなんでしょうか笑)

 

まだまだ先のことになりそうだなー…。

しょんぼりです。